製造工程

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1膠(にかわ)の溶解

タンポの中に水と膠を入れ、
ドウコという膠炊きの釜で
湯煎して溶かし、膠液を作る。
膠液はトオシにて濾し、
ゴミや不純物を取り除く。
2撹拌(かくはん)

撹拌機に煤(すす)と膠液を入れ、
粗練りをする。
途中、香料を入れてさらに練る。
唯一の機械による工程である。
3練り

光沢が出るまで足を使って練り上げ、
墨玉をチョウベイにて切り分ける。
足練りのあと、さらに手で練る。
4型入れ

墨玉を墨の大きさに合わせて
テンビンで量る。
再びよく練り上げ、長く棒状にのばして
木型の隅々にまで墨玉が行き渡るよう
木型に入れる。
5プレス

型入れした木型を15分程度、
マンリキにて締める。
6型出し

カタコジを使用して型蓋とチギリを外し、
墨を木型から取り出す。
型からはみ出したバリをハサミで落とす。
7削り

フネという木箱の中に
湿気の多い木灰を入れ、
新聞紙を敷いた上に墨を並べる。
さらに新聞紙と木灰をかぶせ、
木灰中で間接的に1日乾燥させる。
翌日、型からはみ出したバリを
カンナで削る。
8灰乾燥

削りを終えた墨を再び木灰中で乾燥させる。
ワレやソリを防ぐため、
湿度の多い木灰から徐々に
湿気の少ない木灰へと毎日取り替え、
10～30日かけて徐々に水分を取っていく。
9自然乾燥

自然乾燥には、墨を稲藁で編み、
天井から吊す「藁編み」と、
網の上に並べて
乾燥させる「網乾燥」があり、
双方ともに30～100日程度日光や
風に直接当たらないよう空気乾燥を行う。

(※写真は「網乾燥」)
10磨き

乾燥中に墨の表面に付いた汚れを
ブラシにて取り除く。
仕上げには、墨の表面を炭火であぶり、
トウジュウロウというブラシで磨いたあと、
ハマグリの貝で磨いて
つやを出す「研ぎ仕上げ」と、
木型の木目を生かし、軽い水洗いのあと
上薬を刷毛でぬって仕上げる
「生地仕上げ」がある。
「研ぎ仕上げ」は
日本独自の仕上げ方法であり、
紅花墨に代表される。
11桟積み

仕上がった墨を井桁に積み重ね、
乾燥を続ける。
12彩色

金粉・顔料をアラビアで溶き、
文字や図柄に彩色を施す。
13仕上げ

検品を行なった後、
香料を入れた桐箱・紙箱に墨を入れる。